古物商許可を取得するには申請書類の作成に加えて添付書類の提出が必要です。

特に添付書類の収集と作成にはそれなりの時間と手間がかかってしまいます。

この記事では、できるだけ手間をかけず、かつ、効率的に書類の準備ができるように、必要となる書類の集め方と作成方法、またその注意点を記事でまとめています。ぜひ参考にしてください。

添付書類について

申請書類は添付書類の記載とおりに記入する必要もあるので、申請書類を作成する前に添付書類から集めるのが合理的です。

まずは添付書類から確認していきましょう。

 

古物商許可申請で必要となる添付書類は以下のとおりです。

  • 住民票
  • 身分証明書
  • 略歴書
  • 誓約書
  • 状況によって必要となる書類

上記の太字の書類は必ず必要となる共通の書類です。

太字の書類は申請者だけでなく管理者の分も必要です。ただし、申請者が管理者を兼ねる場合は1人分で大丈夫です。

上記太字の書類から見ていきましょう。

住民票

市町村役場(役所)で取得します。

本籍地の記載が必要です。また、住民票は発行から3ヶ月以内もの必要です。

 

身分証明書

ここでいう身分証明書とは、運転免許証や保険証のことではありません。

欠格要件の1つである「破産手続き開始の決定を受けて復権を得ない者」に該当していないことを証明するための公的書類です。

こちらの書類も市町村役場(役所)で取得しますが、本籍地の市町村役場(役所)で取得する必要があります。

なかには本籍地がどこか分からないという人もいるでしょう。その場合は、先程の本籍地の記載ありの住民票を先に取得しましょう。

住民票と身分証明書の取得方法はこちらの自分で古物商許可が申請できる手引き②住民票から集めよう!で詳しく解説しています。

 

略歴書

略歴書とは、履歴書の簡易版のようなもので現在から5年間さかのぼって経歴を記載します。

略歴書のフォーマットは都道府県の警察によって異なります。

各都道府県の警察ホームページからダウンロードできることもありますが、できない場合はどのようなフォーマットを使用するのか問い合わせましょう。

詳しくはこちらの古物商許可|略歴書の書き方とポイントを解説で解説しています。

 

誓約書

誓約書は、古物商許可の「欠格要件」に該当していないことを誓約するための書類です。

欠格要件のいずれか1つでも該当していると、古物商許可は取得できません。

日付、住所、氏名を記載し押印するだけですが、欠格要件に該当していないか内容をよく確認しましょう。

※欠格要件についてはこちらの古物商許可|欠格要件に該当する8つのケースを解説で詳しく解説しています。

なお、誓約書のフォーマットは各都道府県の警察署でダウンロードできますが、都道府県によって様式が異なります。

書面は「個人用」、「管理者用」と分かれています。都道府県によっては申請者が管理者を兼任する場合でも一枚ずつ必要となることがあります。

誓約書についてはこちらの古物商許可|誓約書の書き方と注意点を解説!で詳しく解説しています。

 

状況によって必要となる書類

各都道府県の警察窓口には「ローカルルール」というものがあって、審査基準が異なることで、追加で書類が必要となることがあります。

また、ご自身の状況や事業内容によっても他にも書類が必要となることがあります。

ここでは状況によってよく要求される書類をいくつか挙げます。

自己解釈で添付書類を決め込むと、ローカルルールによって添付書類が足りずに申請が受理されないということが少なくありません。

それを避けるには警察署への事前相談が必須です。申請が一発で受理されるように事前相談では必要書類が何なのかを徹底的に聞き出す必要があります。

 

営業所の使用権限を証明する書類

古物商許可申請において営業所は必ず用意しなければなりません。

警察署によっては、ただ用意するだけでなく、申請者に営業所として使用する権限があることが求められます。

基本的には次の書類で証明します。

  • 持ち家や自己所有のマンションを営業所とする場合 → 登記簿謄本
  • 賃貸物件を営業所とする場合 → 賃貸借契約書のコピー

登記簿謄本は法務局で取得します。

営業所の使用権限を証明しなければならないので、賃貸借契約書の使用目的が「住居用」となっていれば、営業所として使用する権限があるとは言えません。

この場合、賃主があなたに営業所として使用することを承諾している書類(使用承諾書)が別途必要となります。

 

賃貸物件を営業所とする場合、この使用承諾書を賃主からもらえずにとん挫してしまうケースが少なくありません。

まずは、検討している営業所の使用権限を証明できるのか確認する必要があります。

営業所についてはこちらの古物商許可|営業所として認められるケースと認められないケースで詳しく解説しています。

 

車庫の使用権限を証明する書類

中古車自動車を取り扱う場合に必要となります。

考え方は営業所と基本的に同じで以下の書類賀必要です。

  • 自己所有 → 登記簿謄本
  • 賃貸 → 賃貸借契約書のコピー

車庫の場合も賃貸なら使用承諾書が必要となることがあります。

 

営業所や車庫の見取り図など

警察署によっては営業所や車庫の見取り図などが求められることがあります。

ただし、そこまで本格的なものを用意する必要はなく、手書きのものでも大丈夫です。

 

ホームページのURLを使用できる権限を疎明する資料

これはネットショップやオークションサイトなどホームページ上で売買をする場合に必要となる書類です。

プロバイダ等から交付されたURLの割り当てを受けた通知書等のコピーを提出するか、インターネットで「ドメイン検索」「WHOIS検索」を実施し、検索結果にご自身のお名前があれば、その画面をプリントして提出しましょう。

※Whois情報公開をドメイン取得会社に代行してもらっている場合は利用できません。

以下のページでさらに詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

古物商許可のURLの届け出とは?|URL疎明資料まで詳しく解説

 

申請書類について

申請書類は複数枚あり、申請者や管理者、営業所などの情報を記入することになります。

申請書類は各都道府県の警察署のホームページでダウンロードできますが、管轄の警察署でも入手できます。

個人で申請する場合は基本的には

  • 様式その1 (ア)
  • 様式その2
  • 様式その3
  • 様式その4

の4枚に必要事項を記入していきます。

様式その1 (ア)

申請者の氏名や住所などの基本情報を記入します。

記載方法はこちらの申請書の書き方(個人)を参考にしてください。

様式その2~その4

営業所、管理者、URLの情報を記入します。

記載方法はこちらの申請書の書き方2を参考にしてください。

まとめ

いかがでしたか?

添付書類については少し煩わしく感じた人もいるでしょう。

特に役所窓口は平日しか開いていないので、住民票や身分証明書を取得する際は注意が必要です。

また、警察窓口はローカルルールがあって、追加で書類が必要となることがあるので事前に確認が必要です。

そして、申請書類と添付書類は通常、2部必要となります。つまり、副本としてコピーを1部作成しなければなりません。

警察署によっては必要ないというところもあるので、ここも事前に確認を取りましょう。</