古物商許可申請の手続きは決してハードルが高いというわけではない。

しかし、古物商許可申請にはしかるべき手順というものがある。この手順を無視すると何度も警察署に足を運ぶことになり、余計な手間と時間がかかることになる。

この「自分で申請できる手引きシリーズ」ではあなたが古物商許可を効率的に、かつ、最短で取得できるように、私が持っているノウハウを包み隠さずに紹介したいと思う。

ぜひ役立ててほしい。

 

この記事は、古物商許可が必要と判断し、そして必要な条件をクリアし、まさにこれから申請をするという人に向けて書いています

古物商許可を取得するには、欠格要件や営業所などいくつか条件をクリアする必要があります。

特に営業所については許可が取れるかどうかを左右する大きな壁となることが少なくありません。

まだ、確認ができていないという人は以下の記事を必ず先に読んでください。

古物商許可|営業所として認められるケースと認められないケース

古物商許可|欠格要件に該当する8つのケースを解説

また、「そもそも古物商許可が必要なのか分からない」という方や「古物商許可制度についてまだよく分からない」という方はまず以下の記事を一読することをおすすめします。

古物商許可とは?|初心者でも3分で理解できる全体像

 

難易度と取得期間について

許可の手続きの説明に入る前にまず申請の難易度と取得期間について簡単に説明しておこう。

難易度について

古物商許可申請の難易度は比較的易しい方だが、申請先の警察署にローカルルール = 独自のルールというものがあるので決して甘くはない。

このローカルルールによって何が違ってくるのかと言えば、提出をする添付書類に違いが出てくる。

そのため、ネットでの通り一遍等の情報を鵜呑みにすると添付書類が足りずに申請が受理されないということになり、警察署に何度も足を運ぶことになる。

このような余計な手間を避けるために警察署での事前相談は必須だ。

 

取得期間について

申請が受理されると、許可が下りるまでに審査期間(標準処理期間という)があって、これが40日程度かかることになる。もちろん、これよりも短い期間で審査が終わることもあるが、長引けば40日はかかるということだ。

また注意したいのは、この40日には土・日・祝は含まれないという点だ。

そしてこの40日に加えて、申請書を記入したり、添付書類を集めたりする時間が必要となる、つまり、申請の準備期間が必要ということだ。

この申請の準備期間は早い人だと4~5日くらいかもしれないが、慣れていなければやはり1週間、もしくはそれ以上かかるのが普通だと思う。

申請の準備期間○○日 + 審査期間40日 = 2~3ヶ月はかかることになる。

 

許可までの流れ

許可の流れを簡単に説明すると

①警察署への事前相談

②添付書類の収集

③申請書等の記入

④警察署へ申請をする

⑤許可証を受け取りに行く

となる。前述のとおり、警察署によって添付書類が異なってくることがあるので、事前相談は必須だ。

申請が受理されずに何回も警察署に足を運ぶことになる人というのは単純に①を飛ばしているからだ。

①の事前相談でしっかりと必要な書類が何なのかを確認しよう。

では次からはこの必要書類を見ていこう。

 

必要書類

申請にはまず複数枚の申請書が必要だ。そして、この申請書の他にも添付書類が必要となる。

この添付書類は

必ず必要となる書類 + 場合によって必要となる書類

から構成される。

必ず必要となる書類

  • 住民票(本籍記載)
  • 身分証明書
  • 略歴書
  • 誓約書

これらはどこの警察署で申請しても必ず必要となる共通の書類だ。

申請者と管理者が同一人でないときは、上記の書類は管理者の分も必要だ。

また、法人申請の場合は役員の数だけすべて必要となる。

法人申請の場合は、上記の4つに加えて定款と履歴事項全部証明書の写しも必要となる。

※定款については、定款の事業目的等で気をつけなければならないことがある。

しくはこちらの古物商許可|定款のかゆいところを分かりやすく解説!を参考にしてほしい。

 

場合によって必要となる書類

警察署や事業形態によって次のような書類が求められることがある。

  • URL疎明資料
  • 使用承諾書
  • 賃貸契約書の写し
  • 駐車スペースの写真や資料
  • 営業形態の説明書(事業の概要)
  • 営業所の平面図
  • 営業所の付近図
  • 確認書

etc…

事前相談ではこれらの書類を聞き出すことになる。

事前相談をしよう

申請をする管轄の警察署を確認しよう

必要書類も分かったところで次は申請をする管轄の警察署を確認しよう。

管轄の警察署というのは営業所がある最寄りの警察署のことだ。

営業所が異なる地域に複数ある場合は、どれか1つの警察署を選んで申請することになる。

ただし、申請書を提出した警察署は経由警察署となり、今後変更届の窓口となる。

本店を管轄する警察署を経由警察署とするなど利便性を十分考慮して、選択する必要がある。

 

古物担当窓口に事前確認をする

警察署の古物担当の窓口は通常、生活安全課(防犯係)が受け持っている。

事前相談はこの窓口の古物担当者にしなければならない。

相談は電話のみで事足りることもあるが、事業形態や事業内容によっては申請が複雑になるのでどうしても訪問が必要になることもある。

私個人的には、時間が許すのなら、やはり一度担当者と会って相談をした方が確実だと思う。

なお、古物担当者は外出することも多いので、訪問の前に必ず担当者に予約を入れよう。

※受付時間は通常、平日の8時から17時頃までだ。

 

事前相談のポイント

警察署での事前相談のポイントは、あなたの事業内容や事業形態によっても違ってくる。

例えば、ホームページを利用して中古品の売買を行う場合、URL疎明資料が必要となるが、この疎明資料はどんなものでOKなのかしっかりと確認をしよう。

また警察署によっては営業所の平面図や証明写真なども求められることがあるので、古物担当者に必要となるものはすべて聞き出そう。

ここをしっかり聞き出せるかどうかで、申請が一発で受理されるかどうかがある程度決まる。そして、あなたが事業内容をしっかりと伝えられなければ、古物担当者も正確な書類を伝えることができないのは言うまでもない。

※提出書類は通常、原本(正本)とコピー(副本)が必要となるが、コピー(副本)はいらないという警察署もあるので、ついでに確認しておこう。

 

 

いかがだろうか?これで警察署への事前相談がいかに重要だとういうことが分かってもらえたと思う。

次からは早速、必要書類を集めよう。