法人で古物商許可を申請するときは添付書類として定款が必要となります。

多くの人が定款でかゆく思うところは事業目的ではないでしょうか?

「どういった文言を使えばいいのかな?」

「すでに定款を作成していて事業目的を付け加えなければいけない」

「事業目的を付け加える時間がない…」

事業目的と言えば、このような疑問・悩みに尽きますよね。

この記事ではこのような疑問・疑問にお答えし、また必要書類として定款のコピーを提出する際の注意点も解説しています。

定款の事業目的

定款(テイカン)には会社を運営していくにあたっての基本的なルールが定められており、会社の憲法と呼ばれています。

ご存知かもしれませんが、定款には事業目的が記載されており、記載されていない事業は行うことはできません。

これは法律で定められていることなので、古物商許可申請においても事業目的に「古物営業を営む旨」が記載されているかどうかが確認されます。

これから定款を作成する場合は、古物商を営む旨を必ず記載しましょう。

 

他の行う予定のある事業も記載しておく

事業目的に記載している事業は行わなくても法的に全く問題ありませんので、行う予定のある事業も記載しておくことができます。

後で事業を定款に付け加えるとなると、定款を変更し登記もしなければならず、非常に面倒な作業が発生します。

例えば、中古車販売をする予定で、将来的にレンタカー事業も展開する可能性があるなら、記載しておいてもいいでしょう。

実際にその事業はしないかもしれないが、将来的にする可能性があるという場合は積極的に記載しておく方がいいと思います。

ただし、あまりにも多く記載し過ぎると、融資先の金融機関や取引先が見た場合、「何をやっているのか良く分からない」といった印象をもたれます。

客観的にみて最低限整合性がとれている必要があります。

 

定款の事業内容の文言は?

事業目的の文言をどのように記載すればいいのかという質問をよく受けます。

具体的に断定はできませんが、原則以下のように記載すれば大丈夫でしょう。

  1. 古物営業法に基づく古物商
  2. 中古車自動車の買い取りおよび販売

ポイントは1で抽象的に表現して、2で具体的に念を押す感じです。

このように表現するのが一番無難だと思います。

そして、売買を示す「買い取り」と「販売」の言葉は必ず入れましょう。

「買い取り」と「販売」のどちらかが抜けると古物営業に該当しなくなるからです。

 

定款を変更する場合

なかにはすでに会社をもっており、新たに古物商を営むという人もいるかと思います。

もし古物商に関する記載がなければ、原則は定款変更・登記後に許可申請をします。

また、事業内容の他にも役員や会社住所が変わっている場合、そのままでは申請を受け付けてもらえないことも少なくありません。

変更があれば、基本的には変更登記をしてから許可申請をすることになります。

 

事業目的の変更は後回しにできるの?

定款の変更は、10日以上かかることも少なくなく、意外と手間と時間がかかります。

というのも、株主総会を開いてから法務局で事業目的追加の変更登記をする必要があるからです。

なかにはどうしても急がなければならない人もいるかと思います。

その場合は確認書を利用しましょう。

確認書に「すぐに定款の事業目的に古物商を営む旨を加えて変更を行います」といった約束事を記載して提出することで、定款の変更を後回しにすることができます。

こうすることで、申請が受理された後、もしくは、許可取得後に定款の変更をすることができます。

※代表取締役の押印が必要です。

 

 

定款を提出するときの注意点

古物商許可申請は添付書類として定款を提出します。

定款は原本をコピーして提出します。

電子定款の人もデータをそのままコピーして提出するだけで全く問題ありません。

コピーには原本証明が必要です。また、製本として提出する場合は契印が必要となります。

契印の方法

まずは定款をプリントアウトしましょう。

サイズは特に決まりはありませんので、A4でOKです。

プリントができたら下の画像のように左端を2か所ホッチキスでとめます。

定款であることを証明するためにすべてのページに発起人のハンコで契印します。

下の画像ようにページ間に契印してください。※すべてのページにします。

1ページずつ契印するのが面倒なら下の画像のように製本テープを貼って契印することもできます。

ホッチキスが隠れるように製本テープを貼ります。契印は裏面だけでOK!

これだけですべてのページに契印したことになります。

※製本テープがない場合は紙を適当な幅に切って貼り付けても大丈夫です。

※製本テープは押印できるタイプのものを選びましょう。

発起人が複数いる場合はその分契印が必要です。二人いればページごとに二人分の契印が必要です。

※警察署によって取扱いが異なることがあります。

原本証明のやり方

原本証明とは原本の写しであることを代表取締役が証明することです。写しの最後のページに以下のように朱書きで記載すれば大丈夫です。

 

まとめ

いかがでしたか?

事業目的の文言については、各警察窓口によって判断が異なることがあります。

これから定款を作成する人、また、事業目的を追加するという人は、管轄する警察署に事業内容の文言に問題がないか念のため確認をしましょう。

また、事業目的を追加する時間がないという場合は、応急処置として確認書を提出すれば申請は受け付けてもらえることがほとんどです。

ただし、事業目的の追加が免除されるということではないので、申請が受理された後速やかに事業目的を追加しましょう。