古物営業を営むには古物商許可取得後にも様々な義務を果たす必要があります。

この記事を読んでいる人は古物営業を営む上で特に重要な3大義務について気になっているか、あるいは古物営業法そのものの理解がまだ漠然としているのではないでしょうか?

この記事では古物営業法における三大義務を解説するとともに、その他の必要とされる義務まで言及していますので、ぜひ参考にしてください。

古物営業法における防犯三大義務とは?

前述のとおり、古物営業法には様々な義務が課されることになりますが、その中でも重要なのが防犯三大義務と呼ばれるものです。

三大義務は以下のとおりです。

  1. 相手方の確認義務(古物営業法第15条第1項)
  2. 帳簿等への記載義務(古物営業法第16条)
  3. 不正品の申告義務(古物営業法第15条第3項)

1つずつ確認していきましょう。

なぜ古物営業法があるのか?

古物営業法の目的は被害者の盗品の早期発見、盗品の売買防止を行うためです。

要は盗難品が流通した場合、早期に発見できるように許可制にして警察の管理下に置こうということです。

ここで非常に大きな役目を果たすのが三大義務です。

例えば、古物を買い取る際、身分証明証などで相手の身元を確認し、帳簿に記載すればどこから盗難品が流れてきたのか把握することができます。

また逆に、帳簿への記載がないと誰から買い取ったのか分からないので、盗難品だった場合、自分が盗んだのではないという無罪証明ができなくなってしまいます。

 

相手方の確認義務

古物商は古物を買い受ける際、身分証明証などで取引相手の身元を確認する義務があります。

これにより、偽名の使用を未然に防ぎ、盗難品がどこから流れきたのか正確に把握することができます。

確認事項は相手の氏名、住所、職業および年齢です。

違反した場合は罰則があり、懲役6ヵ月以下または30万円以下の罰金、状況によっては両方の罰則が科されます。

詳しくは以下の記事で解説しています。

古物商が必ず押さえておきたい相手方の確認方法

5分で理解できる非対面取引の本人確認方法とは?

 

帳簿等への記載義務

古物の取引を行う場合、帳簿等に取引内容を記載し、最終の記載日から3年間保存しなければなりません。

前述の相手の確認事項に加えて、古物の品目や特徴などを記録しておくことで、販売者や盗難品の特定を確実に行うことができます。

そもそも、記録しなければ、盗難品や犯人を特定することは非常に難しいので、記録義務はとても重要な義務といえます。

確認義務と同様、違反した場合は罰則があり、懲役6ヵ月以下または30万円以下の罰金、状況によっては両方の罰則が科されます。

詳しくはこちらの古物台帳の疑問とポイントを完全解説!で解説しています。

 

不正品の申告義務

古物の買取をする際、盗品等の疑いがある場合は警察署に直ちに報告をしなければなりません。

盗品等を見抜くにはそれなりの経験と知識が必要ですが、職業や年齢からして不相応だったり、一度に大量に持ってくるなど、おかしいと思う場合は積極的に報告しましょう。

違反した場合は特に罰則はありませんが、営業停止や許可取消などの行政処分の対象になります。

もし、盗品と知りながら買い取った場合、盗品等有償譲受罪といって、10年以下の懲役及び50万円以下の罰金に科されてしまいます。

 

その他の義務

当サイトでは三大義務の他に以下の義務についても説明しています。

 

行商時の許可証または行商従業者証の携帯(古物営業法第11条)

行商と営業の制限(古物営業法第14条)

詳しくは古物商許可|5分で理解する行商の定義と疑問点をお読みください。

 

標識の掲示(古物営業法第12条)

詳しくは古物商許可|標識(プレート)入手方法と様式の注意点をお読みください。

 

品触れの対応(古物営業法第19条)

詳しくは古物営業法における品触れとは?をお読みください。

 

変更の届け出(古物営業法7条)

詳しくは古物商許可|変更届の概要と疑問をかゆい箇所まで解説!をお読みください。