中古品を扱って商売をしていると、相手と直接会って買い取ることもあれば、インターネット等を利用して相手と対面しないで商品を買い取ることもあると思います。

非対面の取引では対面の取引と同様に本人確認が必要になります。

しかし、非対面取引の本人確認は非常に複雑ですし、確認方法も複数のものがあります。

すべてのパターンをいきなり理解するのは労力がかかりますし、やはり理解も遠ざかると思います。

この記事では主に郵送を利用した2つの確認方法を紹介しています。

また、今回紹介するこの2つの確認方法は、最も一般的に推奨されている確認方法です。

この記事を読めば、非対面の確認方法を無理なく理解できるので、ぜひ参考にしてください。

非対面取引での本人確認は全部で8つある

非対面取引での本人確認は全部で8つありますが、前述のとおり、いきなり全部を理解するのは大変なので、一般的に推奨されている郵便を利用した確認方法を紹介します。

非対面取引での本人確認は3つの条件を満たす必要がある

非対面取引での本人確認は次の3つのことを行わなければなりません。

1、身分証明書等のコピーの送付を受けること

2、簡易書留などで、その到達を確かめること(本人確認書類と住んでいる住所の一致を確かめる)

3、本人名義の口座に代金を振り込むこと

※身分証明書等のコピーは運転免許証や健康保険、マイナンバーの他、スマホで撮った写真などをメールやweb上で確認しても構いません。

なぜ、住所確認と本人名義の口座への振り込みが必要なのかというと、身分証明書のコピーは、その気になれば簡単にそれらしいものを作成することができます。

そのため、郵便等で住所について、口座への振り込みで氏名について、それぞれ確かめる必要があります。

 

本人限定受取郵便を利用する

確認方法の1つに「本人限定受取郵便等を送付し、その到達を確認する。」というものがあります。

本人限定受取郵便とは、名宛人本人が身分証明書を提示することによって郵便物を受けることができるものです。

この場合、郵便物の受け取りに名宛人自身が身分証明書を提示しなければならないので、身分証明書のコピーの送付を受ける必要がありません。

つまり、本人限定受取郵便はこれ1つで「身分証明書の提示、住所確認、氏名確認」ができるということです。

すでに氏名確認ができているので、他の名義人の口座に買取代金を振り込むこともできます。

到達を確かめるとは?

郵便物を送ったらそれで終わりではありません。

きちんと届いたということを証拠として確認する必要があります。

証拠として確認する方法は主に次のものがあります。

・送付した郵便物を買い取り商品と同封して返送させる

・郵便物に受付番号などを記載して送付し、電話やメールでその受付番号を連絡させる

・郵便物に往復はがきを送付し、その返信部を送付させる

・郵便物に梱包材を送付し、その梱包材で梱包して買取り商品を送付させる

 

配達記録郵便等(書留や小包で送られる郵便物など)を利用する

これはまず、身分証明書等の送付を受けてから、「転送不要」と記した書留などを送付して、その到達を確認します。

書留等は配達の証に受領印を受けるので、配達の記録が残ります。

また「転送不要」と記して送付すると、差出人が指定した住所以外では受け取ることができないようになります。

これによって、指定した住所以外の場所、つまり、郵便物を隣人に届けられたり、宅配ボックスに入れられるということはありません。

最後に、本人名義の口座に買取り代金を振り込むことで本人確認は終了します。

※到達の方法は前述のとおりです。

 

2回目以降の確認はID・パスワードを利用してOK

上記の本人確認等で、一度本人確認をした相手にID・パスワードを付与し、2回目以降の取引に関してはID・パスワードを入力させることで簡易的な確認を行うことができます。

すでに1回目の取引で本人確認をしているので、改めて複雑な本人確認をする必要はありません。

ただし、買取り代金は相手方名義の口座に振り込む必要があります。

※本人限定受取郵便などを利用した確認方法は氏名確認も兼ねていますので、他の名義人の口座に振り込むことも可能です。

 

8つの確認方法&まとめ

最後に簡単にですが、8つの非対面取引の確認方法を列挙します。参考にしてください。

1、電子著名されたメールの送信を受ける2、印鑑登録証明書と登録した印鑑を押印した書面の送付を受ける

3、本人限定受取郵便等を送付し、到達を確認する。

4、本人限定受取郵便等で代金を送付する。

5、住民票等の送付を受けて、「転送不要」と記載した簡易書留等を送付し、到達を確認する。

6、住民票等の送付を受けて、本人名義の預貯金口座に代金を振り込む。

7、身分証明証等の写しの送付を受けて、、「転送不要」と記載した簡易書留等を送付し、到達を確認する。

8、すでに本人確認をしている者に対して、IDとパスワードを発行し、その送信を受ける方法等により、相手方が本人確認済みであることを確かめる。

 

いかがでしたか?

今回は一般的に推奨されている郵便を利用した2つの確認方法を紹介しました。

非対面取引での確認方法はたくさんあるので、混乱を招きやすいですよね。

その場合は、今回紹介した2つの確認方法をぜひ覚えてください。

法令に従ってきちんと確認が取れれば、すべて理解しなくても1つだけでもいいですし、全く同じ扱いがされているのなら、民間の宅配業者を利用しても構いません。

また、身分証明証等のコピーは保存しなければなりません。

帳簿に直接貼りつけたりする必要はありませんが、取引状況や整理番号をつけたりして、どの取引のものか分かるように、帳簿と一体的に保存しておく方が望ましいです。

保存期間はその身分証明証等に関係する取引記録と同じ期間、つまり、取引記録を帳簿に記載をした日から3年間保存しなければなりません。

3年が過ぎたら、破棄しても構いません。

対面での本人確認方法はこちらの古物商が必ず押さえておきたい相手方の確認方法で詳しく解説していますので、ご興味のある方は一読ください。