古物と言えば中古品を思い浮かべると思いますが、実際は新品でも状況によっては古物となることもあります。

また逆に、中古品でも取引状況や種類によっては古物にならないこともあります。

この記事を読んでいる人は自分の扱おうとする物品が古物に該当するのか気になっているのではないでしょうか?

この記事では古物の定義から種類まで細部にわたって解説しますので、ぜひ参考にしてください。

古物の定義とは

古物とは、一般的に考えられる中古品だけを指すのではありません。

古物とは下記のいずれかに該当する場合をいいます。

  1. 一度使用されたもの
  2. 一度も使われてはいないが、使うために取引されたもの
  3. 上記の物品に対し、「幾分の手入れ」をしたもの

1つずつ確認していきましょう。

一度使用されたのも

使用されたものとは、その物本来の目的に従って使用されたものをいいます。

逆に、本来の使用目的で使用されていないものは、古物から除外されます。(趣味で集めた切手など)

 

一度も使われてはいないが、使うために取引されたもの

例えばパソコンを使う目的で購入したが、結局使わずに新品のままというのは古物に当たります。

つまり、一般消費者が購入した時点で、「使用する」、「使用しない」にかかわらず古物となります。

 

逆に販売店が問屋から販売目的でパソコンを購入して未使用という場合は古物に当たりません。

生産者 → 問屋 → 販売店 = 古物ではなく新品

問屋とは、卸売業者のことで生産者(メーカー)から商品を仕入れて小売業者(販売店)に売る流通業者のことです。

 

上記の物品に対し、「幾分の手入れ」をしたもの

幾分の手入れをしたものとは、その物本来の用途・目的に変化を及ぼさない修理・加工をいいます。

例えば、壊れているパソコンを修理した場合などをいいます。

逆に極端な話、着なくなった服を切り裂いて、テーブル掛けやカーテンを作ったという場合は古物になりません。

この場合、本来の用途・目的に変化を及ぼしています。

 

古物は13種類ある

古物は以下の13種類に分類されています。

申請をする際は自分の扱う古物を申請書に記載しなければいけません。

美術品類 古美術、骨董品、絵画、書画、彫刻、工芸品、登録火縄銃・登録日本刀
衣類 着物、洋服、 敷物類、テーブル掛け、布団、帽子、旗 ※繊維製品、革製品等で、主として身にまとうもの
時計・宝飾品類 時計、眼鏡、コンタクトレンズ、宝石類、装飾具類、貴金属類、オルゴール、 金・プラチナ ダイヤなど
自動車 自動車、タイヤ、バンパー、カーナビ、サイドミラーなどの自動車の部品を含む。
自動二輪・原付 バイク、原付、タイヤ、サイドミラー等の部品含む。
自転車類 自転車とその部分品(空気入れ、かご、カバー等)
写真機類 カメラ、ビデオカメラ、カメラレンズ、望遠鏡、双眼鏡、顕微鏡、光学機器
事務機器類 パソコン、コピー機、FAX、レジスター、シュレッダー、計算機
機械工具類 医療機器類、家庭用ゲーム機、工作機械、土木機械、電化製品、電話機
道具類 家具、楽器、スポーツ用品、CD・DVD ゲームソフト、玩具類、トレーディングカード、 日用雑貨
皮革・ゴム製品類 鞄、バッグ、靴、毛皮類、化学製品 ※主として、皮革又はゴムから作られている物品
書籍 中古本
金券類 商品券、ビール券、乗車券、航空券、各種入場券、各種回数券、郵便切手、収入印紙、オレンジカード、テレホンカード、株主優待券

※自分の扱う物品がどれに該当するか判断に迷うときは警察署に問い合わせると丁寧に教えてくれます。

 

古物に該当しないものは?

ここでは逆に古物に該当しないものを見ていきましょう。

以下のものは古物には該当しません。

  • 盗まれる可能性が低いもの
  • 変化を加えなければ使用できないもの
  • 使えばなくなるもの
  • 本来の使用用途・目的に変化を及ぼしたもの
  • 本来の使用目的に従って使用されていないもの

1つずつ見ていきましょう。

盗まれる可能性が低いもの

  • 20トン以上の船舶
  • 鉄道車両
  • 航空機
  • 5トンを超える機械で自走、けん引できないもの(船舶を除く)
  • 1トンを超える機械で容易に取り外せないもの
  • 庭石
  • 石灯籠

そもそも、古物営業法の目的は「盗難品の売買防止」「その盗難品の早期発見」です。

つまり、いくら中古品であっても、盗まれる可能性が低く、例え盗まれたとしてもすぐに発見できる大きな重量物などは古物に該当しません。

 

変化を加えなければ使用できないもの

  • 空き缶類
  • 金属原材料
  • 被覆いのない古銅線類
  • 古新聞
  • 繊維くず

これらは、リサイクル等で原材料になるもので、本質的な変化を加えなければ使用できません。

 

使えばなくなるもの

  • 食品
  • お酒
  • 化粧品
  • 薬品

など

本来の使用用途・目的に変化を及ぼしたもの

着なくなった服を使って作られたテーブル掛けやカーテンなど(原型をとどめていない)

 

本来の使用目的に従って使用されていないもの

例えば、趣味で収集された古銭や切手、テレホンカード類などが該当します。

 

まとめ

いかがでしたか?

色々面倒くさい話になってしまいましたが、古物の定義は古物商を営む上で大事なことなので、しっかり理解することが必要です。

取引で扱う商品が古物に該当し、商売目的で利益を出す意思があれば、古物商許可が必要となります。

自分の扱う古物の種類や状況によっては判断に迷うこともあるかと思いますが、その際は管轄の警察署に必ず確認してください。