営業所が賃貸物件の場合、賃貸借契約書は古物商許可申請で必要になる書類ですが、賃貸借契約書の内容によっては申請を受理されないことが少なくありません。

順調に進んでいても、賃貸借契約書でひっかかてしまい、急に立ち往生してしまうケースがよくあります。

賃貸借契約書で確認される事項は主に次の3つです。

  1. 賃貸物件の使用目的の欄
  2. 契約者の欄
  3. 契約期間の欄

この記事ではこの賃貸借契約書の確認事項を中心に解説し、賃貸契約書で問題が生じた場合の対応策まで解説しますので、ぜひ参考にしてください。

賃貸借契約書の確認事項

前述のとおり賃貸借契約書の確認事項は3つあります。

1つずつ見ていきましょう。

賃貸物件の使用目的の欄

まず、確認したいのは使用目的の欄が「事務所」や「営業所」等になっているかどうかです。

古物商許可申請では営業所の要件が求められているので、「住居用」となっていると受理されません。

事務所物件をそのまま賃貸している場合は問題ないのですが、自宅を営業所にすることを考えている人も多いと思います。

しかしながら、自宅などのマンション物件の使用目的の欄は「住居用」となっていることがほとんどです。

この場合、対応策が必要ですが、主に次の2通りの方法があります。

 

使用目的の欄を「住居用」から「営業所用」に変更してもらう

管理会社や大家さんと交渉して、使用目的の欄を「営業所用」に変更する契約の巻き直しを行い、新たに賃貸契約書を作成してもらいます。

使用目的を「住居用」から「営業用」に変更すると賃料がアップする?

通常、不動産は「居住用で登記してある物件」と「事務所用で登記してある物件」に分かれますが、それぞれで税率が異なってきます。

例えば、居住用物件での家賃収入は非課税ですが、事務所用物件の家賃収入の場合は消費税が加算されます。

事務所用物件に変更すると大家さんの課税分の負担が大きくなるので、借主は賃料アップなどで折り合いをつける必要があります。

家賃5万円台でだいたい4~5千円アップすると考えてください。

 

管理会社や大家さんから使用承諾書をもらう

賃貸物件の使用目的が「住居用」となっていても、管理会社などから事務所物件として使用してもいいという承諾を得る方法があります。

この際、管理会社からの使用承諾書というものが必要になります。

使用承諾書についてはこちらの古物商許可|使用承諾書で絶対に気をつけたいポイント で詳しく解説していますので一読ください。

 

契約者の欄について

契約者の欄は古物商許可申請の申請者と同一人でなければなりません。

賃貸契約書の契約者の欄の氏名と申請者の氏名が一致しないと申請は受理されません。

こういったケースはあまりないと思いますが、注意したいのは法人申請の場合です。

法人申請の場合、代表者個人の名義で借りていることが多いですが、契約者の名義人は法人でなければなりません。

このままでは受理されないので、対策としては管理会社からまた貸しについての使用承諾書を貰う必要があります。

 

契約期間の欄について

賃貸物件の場合、契約期間は通常、2、3年ですが、以下の場合は注意が必要です。

1、契約期間内でも契約期間の終了が間近

大家さんの承諾書など、確実に契約を更新することがわかる書類が必要です。

また、本当に終了間近の場合は大家さんに契約の更新を早めてもらうように交渉してみるのもいいでしょう。

2、自動更新となる契約の場合

この場合は、更新をしたことを証明する書類が必要です。

自動更新の場合、賃貸借契約書だけを見れば、契約期間がとっくに過ぎているということも少なくないからです。

今も住んでいるということを確実に証明するために、賃料支払の領収書などを提出します。

まとめ

いかがでしたか?

賃貸契約書の3つの確認事項で特にネックになるが使用目的です。

「住居用」になっている場合は、管理会社や大家さんから使用承諾書をもらう必要があります。

前述のとおり、使用目的を「営業用」に変更すると賃料がアップするので、やはり対策としては「住居用」のままで使用承諾書をもらうのが得策だと思います。

また、これから物件を契約する人は、問題がある事項について、あらかじめ契約時に使用承諾書をもらっておくと、その後の許可申請がスピーディに運びます。