中古車を扱う事業を行う場合、古物商許可が必要になってきます。

古物商許可の品目は13種類ありますが、その品目の1つの「自動車商」は他の品目に比べて注意しなければならないポイントがいくつかあります。

また、申請の際も警察署から多くの質問を受けることになりますが、これは自動車の取引価格が高く、他の品目に比べて犯罪が起きやすいからです。

この記事では「自動車」の品目で古物商許可を申請する際に気をつけたいポイントを解説しますので、ぜひ参考にしてください。

申請の際は中古車の保管場所が必要

自動車を扱うという性質上、申請の際は中古車の保管場所を確保しなければなりません。

これは保管場所がない場合、買い取った自動車が売れないときに、違法駐車を繰り返していた事業者が少なからずいたからです。

申請の際は、警察署から買い取った車の保管場所の賃貸借契約書や土地の登記事項証明書を求められることがほとんどです。

保管場所は営業所のある警察署の管轄外でも大丈夫ですが、あまりにも遠い場所では受理されません。

※賃貸借契約の期間の基準は管轄の警察署によって違ってきますので、あらかじめ確認が必要です。

駐車場は何台分必要か?

ここで疑問なのは「駐車場は何台分保管できるスペースが必要か?」ということです。

古物商許可申請は管轄の警察署によって審査基準がバラバラですので、一概に言えませんが、4台分と言われることが多いように思います。

ただし、管轄の警察署によって審査基準が違いますので、1台や2台でも大丈夫ということもありますので、あらかじめ管轄の警察署に確認を取っておくといいでしょう。

中古車売買や盗品の中古車を判断できる能力・知識は必須か?

中古車売買は取引価格が高く、犯罪にも利用されやすいので、当然警察署も許可の審査には慎重になります。

そのため、中古車売買の経験や車体番号の偽造や不審な点を見抜けるだけの知識・経験について質問されることが多いです。

この知識や能力は具体的に言うと、自動車関連の古物営業に3年以上の業務経験が目安とされています。

たまに「自動車関連の古物営業に3年以上の業務経験がなければ中古車商になれないの?」と質問を受けることがあります。

しかし、これらの知識や経験はあくまで努力義務ですので、ないからといってなれないわけではありません。

しかし、盗難品を買い取ってしまうと、何より自分自身がダメージを受けてしまうので、経験や知識が浅いというなら、経験が豊富な管理者を別に選任するのも1つです。

※管理者についても同じ努力義務が課せられています。

中古車オークションの加入はハードルが高い

中古車の仕入れはオークションで行うことが多いと思います。

しかし、初心者が中古車オークションに加入するのはやはりハードルが高いと言わざるを得ません。

例えば、条件として古物商許可を取得してから1年以上経っていることや連帯保証人が2名必要など、条件を満たすのに苦労しがちです。

逆に簡単に入れる会場では何をされるか分からないので、慎重に検討することが必要です。

許可を取得してから、このような事実に気付くと元も子もないので、オークションの利用をメインに考えている人は、許可取得前に利用できるかどうか念入りに調べてください。

最後に

いかがでしたか?

前述のとおり、「自動車商」は取引価格が高く、犯罪も起きやすいので、自動車業界での経験や知識について警察署からシビアに聞かれがちです。

そもそも古物商許可の要件には実務経験が問われていませんので、経験等がなくても許可が取れないということではありませんが、ご自身の事業を順調に進めていくためにもやはりこの知識と経験は必須ではないでしょうか?

例えば、オークションを利用するにしても、中古車の目利きができなければ、安く仕入れても予期せぬところで不具合がみつかるかもしれません。

また、中古車業界の競争も厳しい状況が続いていますので、安易に開業をするのではなく、それ相応の準備や経験が必要だと思います。