ここからは、いよいよ申請書を記入していく。
ここでは法人で申請する場合の書き方について解説していく。
法人といっても申請書の様式自体は個人と異なる点はなく、同じものを使用する。
ただし、役員の数によっては記載事項・枚数が増えるので、個人と比べるとやはり煩雑になる。
申請書は1枚だけではなく、法人の場合なら基本的には次の5枚のものが必要だ。
- 様式その1 (ア)・・・法人名や氏名、住所など基本情報
- 様式その1(イ) ・・・すべての役員の基本情報
- 様式その2・・・営業所について
- 様式その3 ・・・営業所が複数あるかどうかについて
- 様式その4・・・URLの届出について
ただし、様式その1 (イ)については、役員が代表取締役1名しかいないという場合は必要ない。
これら申請書類の様式は、基本的には全国で統一されており、各都道府県警察のホームページからダウンロードできるほか、管轄の警察署でももらうことができる。
ここでは、様式その1(ア)と(イ)を記入していく。
様式その1 (ア) 1枚目
それではさっそく、1枚目の様式その1 (ア)から記入していこう。
上段記載例
①「古物商」または「古物市場主」どちらか当てはまる方に○で囲む。
②主たる営業所のある都道府県を記入する。
※営業所と本社が別の場合は注意。古物営業を行う営業所のある都道府県であって、本社所在地のある都道府県ではない。
③申請日を記入する。そのため、警察署とのやり取りがすみ、受理の見通しが立った段階で記入する方がいいだろう。今の段階では空欄にしておこう。
④本社所在地、法人名(会社名)、代表者の氏名を記入し、代表者印を押印する。
※法人名・所在地は履歴事項全部証明書の記載とおりに正確に記入すること。
中上段記載例
①「古物商」、「古物市場主」どちらか当てはまる方に○をつける。
②法人名を記入する。※営業所の屋号でない。
フリガナを記入する。記入例のように濁点・半濁点(゙゚)は1マスを使用する。
③該当する法人の種別に○をつける。
④法人の場合、生年月日の欄は空欄で大丈夫だ。
中下段記載例
①本社所在地の住所を履歴事項全部証明書の記載どおりに記入する。
※営業所の住所ではない。
②もし、固定電話がなければ携帯電話でもかまわない。
③行商を「1.する」に○をつけたからといって不利益になることは1つもないので、よほどの理由がなければ、行商には「1.する」に○をつけることになる。
ちなみに、行商というのは「訪問販売や出張買取をする」、「露店や仮設店舗を出店する」、また「古物市場で取引をする」ことをいう。つまり、自分の営業所以外でも古物の取引ができるようになる。
④「主として取り扱おうとする古物の区分」では、メインに扱う古物を1つだけ選択する。
「うちは複数の古物を扱うんだけど…」と思う人もいるかもしれないが、様式その2で扱うすべての古物を選択する項目があるので、ここではあまり深く考えずにメインとなるものを1つ選択しよう。
下段記載例
①代表者を選択する。
②代表者の氏名を記入し、名字と名前の間は1マス空ける。
また、フリガナも記入するが、記入例のように濁点・半濁点(゙゚)は1マスを使用する。
③生年月日は和暦で記入する(外国籍の方は西暦で記載する)また、数字がひとケタの場合は左側を0詰めする。
④代表者の自宅住所を住民票の記載どおりに記入する。
⑤電話番号は固定電話でも携帯電話でもどちらでもかまわない。
様式その1 (イ)
様式その1 (イ)は、法人で申請をする場合に必要となる。
この用紙には、代表取締役以外の役員全員分(監査役を含む)の情報を記入する。
冒頭でもふれたが、役員が代表取締役しかいないという場合は提出する必要はない。
用紙1枚で3名分までしか記入できないので、3名以上いる場合は同じものを複数枚用意しよう。
①役員を選択する。監査役も役員を選択する。
②役員の氏名を記入し、名字と名前の間は1マス空ける。
また、フリガナも記入するが、記入例のように濁点・半濁点(゙゚)は1マスを使用する。
③生年月日は和暦で記入する(外国籍の方は西暦で記載する)また、数字がひとケタの場合は左側を0詰めする。
④役員の自宅住所を住民票の記載どおりに記入する。
⑤電話番号は固定電話でも携帯電話でもどちらでもかまわない。
様式その1 (ア)と様式その1 (イ)については以上だ。次からは様式その2~その4を記入していこう。