書類を集め、そして申請書も記入したところで、いよいよ申請をすることになるが、申請の準備として最低限知ってもらいたいことがある。

ここをおろそかにしてしまうと思わぬところで申請が受理されず全てが水の泡となってしまうこともあるからだ。

最後に申請のやり方について説明するのでここも軽視せず、しっかり最後まで目を通してほしい。

 

書類を順番通りにまとめる

まず、書類を以下の順番に並べよう。

こうすることで提出の際の手続きがスムーズになり時間の短縮につながる。

また、警察担当者の心証が良くなるのは言うまでもない。

<個人>

  1. 申請書その1 (ア)
  2. 申請書その2
  3. 申請書その3
  4. 申請書その4
  5. 住民票
  6. 身分証明書
  7. 略歴書
  8. 誓約書
  9. ※その他状況によって求められる書類

URL疎明資料、使用承諾書、賃貸契約書の写し、駐車スペースの写真や資料、etc…

 

<法人>

  1. 申請書その1 (ア)
  2. 申請書その1(イ)
  3. 申請書その2
  4. 申請書その3
  5. 申請書その4
  6. 履歴事項全部証明書
  7. 定款
  8. 住民票
  9. 身分証明書
  10. 略歴書
  11. 誓約書
  12. ※その他状況によって求められる書類

URL疎明資料、使用承諾書、賃貸契約書の写し、駐車スペースの写真や資料、etc…

 

この順番でまとめておこう。

書類に不備がないか確認する

最後に足りない書類はないか、書類の記載に不備はないかチェックをしよう。

特に

  • 申請書の住所は住民票や履歴事項全部証明書のとおりに記載されているか?
  • 略歴書の記載は正しいか?
  • 誓約書は必要な枚数あるか?(申請者や役員が管理者を兼ねている場合は注意)
  • 住民票に本籍は記載されているか?
  • 履歴事項全部証明書や定款の事業目的は大丈夫か?
  • 賃貸借契約書の「目的」や「契約期間」は適切か?

などは間違いやすいのでもう一度確認しておこう。

副本を用意する

最終チェックが済んだら、すべての書類をコピーする。

つまり、申請には原本(正本)とコピーしたもの(副本)、2部必要となる。

ただし、提出先の警察署によってはコピー(副本)が必要ないという場合もあるのでここも確認しておこう。

 

申請に行く

申請は、平日のみ可能だ。受付時間は警察署によって多少異なるが、通常は8時から17時頃までだ。

管轄警察署の生活安全課(防犯係)に電話をして申請の予約をしよう。

予約が不要な警察署もあるが、古物担当者が不在だと申請を受け付けてもらえないことがあるので予約は必須だ。

また、希望日時で必ず予約できるとは限らないので、他にもいくつか候補を考えてから電話を入れるようにしよう。

 

申請に持っていくものは?

申請には書類の他に次のものが必要だ。

  • 申請手数料19,000円
  • 本人確認書類(免許証や健康保険証など)
  • 印鑑(申請書類に押印したもの)

申請手数料は、窓口での現金払いの場合もあれば、事前に「都道府県の証紙」の購入が必要なところもある。予約の際に確認しておこう。

書類の記載ミスがあった場合、訂正印での訂正が可能だ。念のため印鑑を持参しておこう。なお、法人申請の場合は、「法人代表者印」が必要だ。

 

許可証の交付

申請が受理されると、そこから約40日間の審査期間がある。(土日を除くので約2か月)

この審査期間はあくまで目安なのでこれ以上かかることもあれば、もっと早く終わることもある。

審査が終了し、許可が下りると警察署から電話があるので許可証を取りに行こう。

警察署からの連絡の際、説明があると思うが、通常、許可証の交付際には以下のものが必要だ。

  • 本人確認書類(免許証や健康保険証など)
  • 認印(法人の場合は法人代表者印)

 

許可後の注意点

標識の掲示

許可取得後、標識の掲示が必要だ。

購入先は各都道府県の防犯協会の他、インターネットなどでも購入できる。

警察署によっては許可証の交付の際に防犯協会への申し込み用紙がもらえるところもある。

インターネットでの購入は安いというメリットがあるが、業者が様式(サイズや記載事項など)を把握していないことがあるので注意が必要だ。

詳しくはこちらの古物商許可|標識(プレート)入手方法と様式の注意点を参考にしてほしい。

 

変更届

「取扱う古物を追加する」、「役員が入れ替わった」、「住所が変わった」、「URLの届出をする」など何か変更がある場合は変更届が必要となる。

今回申請をした警察署は「経由警察署」といって、今後、この変更届の窓口にもなる。

変更届についてはこちらの古物商許可|変更届の概要と疑問をかゆい箇所まで解説!を参考にしてほしい。

 

まとめ&エール

古物商許可申請はご自身の時間が許す限り、また手続きの手順さえ間違わなければ誰でもできます。

私の実感としては少なくとも半数の人は自分で申請しているのではないでしょうか。

 

にもかかわらず、「古物商許可は行政書士に依頼すべきだ」と平然と謳うのは何か筋が違うなと以前から感じていました。

 

私がこの「自分で申請できる手引きシリーズ」を公開しているのは、まず手続きの流れと申請方法を理解し、許可申請の疑似体験をすることで、自分でできるかどうかその裏付けをとってほしかったからです。

 

自分でできたにもかかわらず、単に難しそうだからと言う理由で行政書士に依頼をすればお金がもったいないですし、逆に自分でやって結局とん挫してしまい「これなら最初から行政書士に依頼すべきだった」となれば時間が無駄になってしまいます。

 

ここまで読むことができた、あなたなら自分できるかどうかある程度見当がついていると思います。

自分でやるにせよ、行政書士に依頼するにせよ、あなたが無事古物商許可が取れることを願ってやみません。