古物商を営む場合、必ず標識を掲示しなければなりません。
しかし、標識を掲示するにあたっておよそ以下の疑問にぶつかると思います。
- 自宅、無店舗でも必ず必要か?
- 複数の古物を取り扱う場合、その数だけ標識が必要か?
- 氏名または名称の記載方法
- どこで購入するの?
この記事ではこのような疑問から、様式の注意点や入手方法まで詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。
Contents
古物商の標識の様式について
古物商許可を取得すると、公衆の見えやすい場所に標識を掲示する必要があります。
これは自宅や無店舗でも必ず掲示しなければなりません。
標識は何でもいいというわけではなく、古物営業法で様式が決められています。
標識作成の留意点
1、サイズは横16cm、縦8cm。
2、材質は、金属、プラスチックまたはこれらと同程度以上の耐久性が必要です。
3、色は、紺色の地に白文字を使用する。
4、古物商許可の番号を記載する。
5、〇〇〇商の「○○○」の部分には主として取り扱う古物の区分(古物営業法で定められた13品目)を記載します。
複数の古物取り扱う場合は、主に取り扱う古物の方を記載します。
例えば、道具類に比べて書籍を多く取り扱っている場合、書籍商とします。
たまに誤解している人がいるのですが、複数の古物を取り扱っていてもその数だけ標識が必要というわけではありません。
この場合ですと、道具類の標識をもう一つ用意しなくても大丈夫ということです。
6、氏名または名称を記載する。
氏名や名称のことでよく質問を受けます。
会社で事業をされる方はそのまま会社名を記載すればいいのですが、よく迷われるのが個人で事業をされる方です。
氏名と屋号のどちらを記載すればいいのか迷われているようです。
正しくは氏名です。
管轄の警察署によっては屋号でもいいと受けとれるような説明をしているところもありますが、個人の場合は個人名を記載する方が無難です。
取り扱う古物の名称の記載の注意点
前述の取り扱う古物の区分(古物営業法で定められた13品目)の名称を記載する上で注意点があります。
それは古物営業法施行規則で定められている古物の区分における表現がほとんど異なっていることです。
例えば、衣類の場合だと衣類商でいいのですが、自動二輪車及び原動付自転車の場合はオートバイ商と記載しなければなりません。
以下に古物13品目の記載する名称を列挙するので参考にしてください。
1、美術品類 → 美術品
2、衣類 ※そのまま
3、時計・宝飾品類 → 時計・宝飾品
4、自動車 ※そのまま
5、自動二輪車及び原動付自転車 → オートバイ
6、自転車類 → 自転車
7、写真機類 → 写真機
8、事務機器類 → 事務機器
9、機械工具類 → 機械工具
10、道具類 → 道具
11、皮革・ゴム製品類 → 皮革・ゴム製品
12、書籍 ※そのまま
13、金券類 → チケット
標識(プレート)の入手方法
標識は自分で作るほか、主に以下の入手方法があります。
それぞれにメリット・デメリットがあります。
管轄警察署・古物商防犯協力会で購入する
警察署によっては許可証を受領するときに、標識を販売してくれるところもあります。
また、各都道府県には古物商防犯協力会という団体があり、ここでも購入できる場合があります。
このような公共の場で購入するメリットは、やはり様式による間違いがなく、安心して購入できることでしょう。
デメリットとしては、少し販売価格が高めで、4千円~5千円程度かかるようです。
また、販売していないことも多いようです。
市販・インターネット上で購入する
インターネット上で業者から購入したり、Amazonなどでも購入できます。
この場合のメリットはやはり価格が安いことです。2千円前後で購入できます。
デメリットとしては販売業者がプレートの様式を把握していないことがあります。
例えば、個人の場合ですと、氏名・名称は屋号ではなく、氏名を記載することになりますが、業者によっては「屋号を記入してください」と当たり前のように言ってくるので注意が必要です。
ネット上で購入する場合、業者の言っていることをすべて鵜呑みにすると痛い目にあうので、標識の様式についてしっかり理解しておくことは必須です。
公安委員会から承認を受けた団体から購入する
前述の購入方法の他に、公安委員会から承認を受けた団体が指定するプレートを使用することができます。
承認を受けている団体は以下の3団体です。
- 社団法人日本中古自動車販売協会連合会
- 全国刀剣商業協同組合
- 日本チケット商協同組合
このような団体に加入する場合などに購入できます。
最後に
標識は自分で作ることもできますが、その労力を考えると、やはり購入するのがベストだと思います。
どこで購入するにしても、ここで挙げた標識の知識は必須です。
また、標識の掲示は公衆の見やすい場所と定められています。
これはやはり、無許可営業を排除するためです。
標識はただ掲げればいいということではないので、普段客が出入りしないような場所に設置したり、標識が物で隠れてしまうようなことは避けましょう。